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第1回 電波とは

電波とは何でしょう
「電波とは電磁波の一種」です。
具体的には日本の電波法という法律で3THz(テラヘルツ)までの周波数の電磁波 を電波として定義されています。

また電波は法律により用途に応じて周波数が決まっています。
携帯電話の場合でしたら、第3世代携帯電話FOMAは2GHz(ギガヘルツ)帯を使用しますし、 無線LANの場合でしたら、最新のIEEE802.11nの規格では2.4GHz/5GHzを使用します。
電波の割当てについては総務省HPへアクセスされるとよいでしょう。

「総務省 電波利用ホームページ」はこちらから


電波に情報信号を載せることにより通信手段として利用することができます。 電波に情報信号を載せる方法として変調・復調がありますが、 変調・復調についての詳しい説明は次回に譲ります。
普段みなさんが使っている携帯電話、テレビ、ラジオなどは全て電波 を利用し変調・復調により通信を行っています。

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図1 身近な携帯電話も電波を利用しています

電磁波とは何でしょう
電磁波とは一言で言えば「空間の電場と磁場の変化によって形成される波」のことです。 最も身近な電磁波は「光」です。また「赤外線」、「紫外線」も電磁波の一種なのです。 違うのはその周波数です。
電磁波の伝搬イメージが右の図2です。

電磁波の特徴として、
1)「電界」と「磁界」が交互に発生しながら空間を光と同じ速さで伝播
2)電場と磁場の振動方向は互いに直角であり、電磁波の進行方向もこれらと直角
3)真空中でも電磁波は伝わる
4)物質が存在する空間では、吸収・屈折・散乱・回折・干渉・反射などの現象が起きる
5)真空中を伝播する電磁波の速度は約30万キロメートル毎秒の一定値
などが挙げられます。

では、目に見えない電波を目で見えるように視覚化すればどんな風に見えるものなのでしょうか?
右の図3は電波を仮想的に視覚化したときの画像です。
電波を可視化するとこんな映像が見えるかもしれません。
わたしたちは日常こうした電波の中で生活をし、そして電波を意識することなく利用しています。

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図2 電磁波の伝播イメージ

図3 電波の視覚化イメージ
【出典】「What If You Could See WiFi?」(http://www.mydeals.com/blog/what-if-you-could-see-wifi/post)

電波の分類

周波数 波長呼び名用途例
30kHz以下 10km以上超長波
(VLF)
電波時計
30kHz~
300kHz
1km~10km長波
(LF)
長波放送
300kHz~
3MHz
100m~1km中波
(MF)
ラジオ放送
3MHz~
30MHz
10m~100m短波
(HF)
海外向けラジオ放送
30MHz~
300MHz
1m~10m超短波
(VHF)
FM放送
300MHz~
3GMHz
0.1m~1m極超短波
(UHF)
テレビ、携帯電話、無線LAN
3GHz~
30GMHz
0.01m~0.1mセンチ波
(SHF)
衛星放送、レーダー
30GHz~
300GMHz
0.001m~0.01mミリ波
(EHF)
車載レーダー
300GHz~
3TMHz
0.0001m~
0.001m
サブミリ波/
遠赤外線
電波天文(宇宙電波の受信)

このように電波は周波数によって分類されています。
今回は電波とはなにかについて簡単にまとめました。次回からは具体的に電波をどう使っていくのかなどについて説明しようと思います。

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