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第2回 電波を使った情報伝送

情報とは何でしょう
ここで言う情報の対象は音声・画像を指しております。
音声は聴覚で認識し、画像は視覚で認識します。 もっと言えば音声は空気の振動で、画像は光です。 空気の振動や光の色・明暗などへ再生する手段があれば 誰でも共有でき、かつ利用できるもの、それが情報です。

会話もまた情報のやりとりです。
では遠くに離れたひとと会話をするにはどうしたらよいのでしょうか? 大声を出せば確かに遠くまで声は届きますが、それには限界があります。 先ほど音声は空気の振動だと言いましたが、音声に乗せる情報を空気の 振動ではなく別の媒体に乗せれば、より遠くへ飛ばせないでしょうか。 そしてここで言う別の媒体というのが「電波」です。 電波にうまく情報を乗せ、かつ取り出す方法さえあればより遠方のひと と会話をすることができます。
これを実現したのが有線・無線通信であり、身近な例では電話・携帯電話 などです。



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図1 遠くのひとと会話をするにはどうしたらいいのでしょう

図2 通信技術を使えば遠距離同士で会話ができます

電波で情報を送るには
電波で情報を送るには、乗せる相手となる電波(搬送波といいます)と 乗せるための処理(変調といいます)が必要になります。 また電波は用途に応じて使用する周波数と周波数範囲(占有帯域幅といいます) がこまかく決められています。
ですので情報そのものだけをそのまま電波として送るのはNGです。 決められた周波数の電波に許された占有帯域幅で送らなければ いけません。

一般に一定周波数の正弦波を搬送波に用い、そこに変調をかけることで情報 を乗せた信号を生成します。 変調には様々な方式があります。 代表的なものとしてアナログ変調、デジタル変調、パルス変調などです。 これら変調方式については今後詳しく説明しますが、例えばアナログ変調 は搬送波の振幅・周波数・位相などの変化で変調する方式で、AM・FM ラジオ波などがこれにあたります。ちなみに、 AMラジオのAMはAmplitude Modulation 振幅変調、FMラジオのFMは Frequency Modulation 周波数変調の頭文字を取ったものです。
右図3は例として振幅変調の波形イメージを簡単に示したものです。(a)を 送信したい信号、(b)を信号を送るための搬送波とすれば、振幅変調をかけ た信号は(c)のような波形になります。
そしてこれを電波として飛ばします。

では送られた信号から情報を取り出すにはどうしたらよいのでしょうか。 相手方は変調がかけられた信号から変調の逆操作である復調により受けた 信号の中から情報だけを抜き出します。
詳しい方法については今後説明していきたいと思います。

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図3 振幅変調のイメージ

図4 電波の視覚化イメージ
【出典】「What If You Could See WiFi?」(http://www.mydeals.com/blog/what-if-you-could-see-wifi/post)

変調方式

代表的な変調方式
下の表に代表的な変調方式を示します。表中の変調方式のうち電波通信で利用されているのはアナログ変調、デジタル変調です。 表の他にもデジタル変調には地上デジや無線LANで利用されているOFDMなどがありますが、 それについては今後説明していきたいと思います。

表1 変調方式一覧

今回は電波を使った通信についてイメージを持ってもらうため簡単な説明だけに留めておきました。
次回からはもう少し詳しいお話をさせて頂きたいと思います。

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